「b-mobile」を運営する日本通信株式会社は、日本のMVNO第一号です。格安SIM、格安スマホの草分け的な存在になります。
「おかわりSIM」は、利用したデータ容量が1GB増えるごとに料金と容量が追加されていく5段階従量制のプランです。
毎月、利用する通信量が大きく違う人は、割安になる可能性があります。
その他、メリットと思われる要素は以下のようになります。
- 1GBと2GBが業界最安値クラス
- 使った容量だけ料金が加算される5段階SIMがある
- 大容量25GBを通信制限なく利用できる
- 契約期間が短い
- 携帯電話プランがある
- ソフトバンク回線を利用できる
では、SIMプランや各機能、サービス内容について具体的に解説します。
目次
b-mobileの基本情報
最安プラン | 500円(データSIM) |
---|---|
3GBプラン | 1,800円(音声通話SIM) |
回線 | NTTドコモ、ソフトバンク |
ターボ機能 | – |
データ繰り越し | – |
格安通話 | – |
シェアSIM | – |
解約手数料 | 通話SIM(5ヶ月間、8,000円) |
支払い方法 | クレジットカード |
ドコモのXi(クロッシィ)に対応しています。当然、プラチナバンドもFOMAプラスエリアも使えて、全国で繋がりやすいです。
契約期間が5ヶ月と他のMVNOと比べて短いです。
正確には利用開始日から、4ヶ月以内に解約すると違約金が発生するようなので、5ヶ月目以降から違約金なしになります。
ターボ機能やデータ繰り越しのようなデータ通信量を効率的に使える機能は一切ありません。特にターボ機能は、おかわりSIMに使えると節約できるはずですが、そこは上の料金を払わせたいのか導入していないのは残念です。
料金・サービス内容の詳細
b-mobileの各種料金表
データSIM | 音声通話SIM | |
---|---|---|
1GB~5GB | 500円~1500円(SMS付き130円プラス) | 800円プラス |
データSIM | SMS付きデータSIM | 音声通話SIM | |
---|---|---|---|
25GB | 2,380円 | 2,510円 | 3,180円 |
データSIM | |
---|---|
1GB | 800円 |
3GB | 1,580円 |
7GB | 2,980円 |
30GB | 4,980円 |
※利用開始月の料金は日割りになります。
容量追加パック | 100MB | 500MB |
---|---|---|
価格 | 300円 | 1,200円 |
留守番電話 | 300円 |
---|---|
キャッチホン | 200円 |
SIMパッケージ料金 | 3,000円 |
---|---|
SIMカード再発行 SIMカードサイズ変更 |
データSIM:2,000円 音声通話SIM:3,000円 |
MNP転出料 | 5,000円 |
※税抜き価格です。
段階従量制のおかわりSIMは複雑なようですが、上手く利用するとb-mobile SIMよりも安くなります。
MNP転出手数料の5,000円は、他社の3,000円よりも高いです。契約期間が短い代わりに乗り換えづらくしているように思います。
3GBと無制限のb-mobile SIM
※高速定額のb-mobileSIMは、2016年11月30日をもって利用開始手続きを終了しました。高速定額SIMの利用者は、引き続き利用できます。
データ容量3GBの「ライトプラン」とデータ容量無制限の「高速定額」の2種類です。
インターネットだけが利用できるデータSIMにはSMSが付いていますが、それでも他社より割高になります。
電話番号が付与される音声通話SIMは、800円プラスの料金になります。SMS付きに800円プラスなので、業界最高値クラスです。
こちらのプランは他社と比較して割高です。データ容量定額プランが良い人は、b-mobileである必要はないと思います。
しかし無制限の方は、高速通信が使えるデータ無制限プランの中では業界最安値です。
5段階従量制の「おかわりSIM」
データSIM | 音声通話SIM | ||
---|---|---|---|
SMSなし | SMSあり | ||
1GB | 500円 | 630円 | 1,300円 |
2GB | 750円 | 880円 | 1,550円 |
3GB | 1,000円 | 1,130円 | 1,800円 |
4GB | 1,250円 | 1,380円 | 2,050円 |
5GB | 1,500円 | 1,630円 | 2,300円 |
b-mobile最大の特徴が「おかわりSIM」です。
1GBが基本プランで、利用したデータ容量がオーバーすると自動的に1GB追加されます。料金も1GBごとに250円づつ追加されるようになっています。
上限は5GBで、超えると翌月まで低速になります。
1GBプランの500円は、「DMM mobile」に次ぐ安さです。ただし、3GB以上になると普通の料金になるので微妙です。
基本的に1GBあれば良い人で、たまに2GB以上必要になる場合は、そのつど追加パックを購入するより遥かに安いので得かもしれません。
「ライトプラン」と「おかわりSIM/3GB」の比較
同じ3GBの比較で「ライトプラン」と「おかわりSIM」では、「おかわりSIM」の方が少しだけ安くなっています。
しかし「おかわりSIM」は、3GBを超えると4GBになり料金も250円追加されます。
「ライトプラン」は、使い切っても追加料金も無く、低速ですが利用出来るので、毎月3GBを利用したいなら「ライトプラン」の方が良いです。
しかし3GBプランを利用したいなら、他の会社の方が安いので、b-mobileは勧められません。
b-mobileを利用するなら、「おかわりSIM」もしくは他社より安い無制限プランの「高速定額」にした方が良いと思います。
25GBの大容量定額SIM
b-mobileSIM 25GB定額は、新規利用廃止になったデータ無制限に代わって登場した大容量プランです。
データ無制限にすると、本当に無制限に利用する人がいて回線を圧迫していました。そこで、ネットワーク構成を見直して、月に25GBまで利用できる大容量プランへの変更になったようです。
このプランには、いわゆる3日間の通信制限がありません。25GBを連続で使用しても通信速度を制限される事はないです。
ただし、25GBを使い切った後の低速200kbps状態だと、3日間に360MB以上利用すると速度制限される可能性があります。
ソフトバンク回線を利用できる開幕SIM
b-mobile S 開幕SIMは、ソフトバンク回線を利用したMVNOでは珍しいサービスです。ただし、利用できるのはデータ専用だけで、SMSや音声通話は利用できません。
開幕SIMの利点は、ソフトバンクで購入したスマホやソフトバンクの白ロムをシムロック解除しなくても利用できる点です。ソフトバンク用のスマホならbandもバッチリ対応しているので問題なく利用できます。
ただ、現時点では電話を使えないので、ネット専用の回線になってしまいます。なので、ソフトバンクからMNP出来ない事に注意です。
低速時の制限
低速度時の200kbpsで、当日を含む直近3日間の通信量が合計300万パケット(360MB)を超えて利用すると、速度を制限されて激遅になる場合があります。
200kbpsでも十分遅いのにさらに遅くなると、ほとんど使いものにならないので注意が必要になります。
通信速度200kbpsでの利用時においては、Webアクセスの速度向上のため、Webアクセラレータを使用しています。
Webアクセラレータとは、画像データなどを圧縮して表示することで、webブラウジングの体感速度を向上させるための機能です。このためJPEG、GIFデータ等の画像は本来の画像よりも低画質で表示されます。
利用料金を請求されるタイミング
利用開始日を起算日として1ヵ月ごとに利用料金の請求があります。
例えば、1月10日が利用開始日だとすると、2月9日が料金請求日になります。
1月31日が利用開始日だと、2月の末日の28日もしくは29日になります。
月末日が利用開始日だと、毎月の月末日が料金の請求日になるという事です。
携帯電話SIM
b-mobileには、MVNOとしては珍しい携帯電話、いわゆるガラケー専用のSIMがあります。
通話料 | テレビ電話 などのデジタル通信 |
無料通話 | 月額料金 | |
---|---|---|---|---|
音声プランS | 20円/30秒 | 36円/30秒 | 最大32.5分 | 1,290円 |
音声プランM | 18円/30秒 | 32円/30秒 | 最大75分 | 2,290円 |
音声プランL | 14円/30秒 | 25円/30秒 | 最大178.5分 | 3,710円 |
※契約期間10ヶ月で解約金は9,000円。
※SIMパッケージ料金3,000円
※料金は税抜きです。
プランの違いは、30秒当たりの通話料と、無料通話時間です。
音声プランSの無料通話時間、32.5分は1,300円相当。音声プランMの無料通話時間、75分は2,700円相当。音声プランLの無料通話時間、178.5分は5,000円相当となっています。
一見お得な気がしないでもないですが、楽天モバイルのベーシックプランと通話料が半額になる楽天でんわと、定額通話の5分かけ放題を組み合わせると、2,100円で、低速ですが、ネットも携帯電話もできます。しかも5分間の電話を回数無制限でかけられます。さらに5分を超過しても30秒10なので、通話料をかなり抑えられます。
携帯電話だけで良い人は、音声プランSなら安いですが、音声プランMとLを利用するくらいなら、楽天モバイルでスマホに変えた方が安く済むはずです。ただし、別途スマホを購入する必要があるので、今使っているガラケーを利用したい人は別です。
携帯電話だけ使いたいなら、ドコモのタイプSSバリューでもいい気がします。ドコモの方が契約期間が長い以外、料金面でも特に劣るところはないと思います。
b-mobile電話
b-mobile電話は、通話料が半額になるサービスです。初期費用や月額料金などは必要なく、専用のアプリをインストールするだけで利用出来きます。
また、通話3分定額オプションに入ると、1回の通話時間3分以内なら月額500円で1日50回まで電話かけ放題になります。3分もしくは1日50回を超えると、半額通話料の30秒10円がかかります。
b-mobile電話は、いわゆるプレフィックス方式で電話番号の頭に識別番号00328246を付加する事で、専用回線を通して通話料が安くなるような仕組みのサービスです。番号は専用アプリが自動で付けてくれるので手間はかかりません。
IP電話ではなく、携帯電話と同等の音声品質で通話が可能です。
基本料金500円は、3分の通話で約8回分です。3分以上の電話を8回かけただけで元が取れます。
電話をかけると必ず10円はかかるので、50回かけただけでも元が取れる計算になります。用件だけで短時間通話の人でも、家族や友人など毎日頻繁に電話をかける人は加入した方が電話代を節約できます。
b-mobileの評価
高速定額の新規利用が廃止になりましたが、代わりにソフトバンク回線を利用できる開幕SIMや25GB高速定額が追加され3つの選択肢になりました。
おかわりSIMは、利用したデータ容量に合わせて、自動的にデータ容量と料金が上がっていく段階従量制という面白いサービスです。
例えば、ほぼ1GBしか使わないけど、2GB必要になる事もある人なら、データ容量を追加購入するより安く済むのでありかもしれません。
25GB高速定額は、新規利用が廃止になる無制限プランの代わりのようです。3日間の通信制限もなく無制限プランより安定しているので使いやすいでしょう。
b-mobile S 開幕SIMは、ソフトバンク回線を利用したデータ専用通信です。ソフトバンク回線を利用できるMVNOは稀有なので、ソフトバンク用のスマホを利用したいは助かります。何せソフトバンクの白ロムは安いですからね。
マニアック路線をひた走るb-mobileですが、適応できる人はお得に利用できそうです。