携帯会社を変えようと思って調べていると、「MNP」という用語を見たことがあると思います。「MNP」だと、スマホ実質0円とか。。。
「MNP」と一体何なのでしょう?
薄っすら分かっていても、いざとなると悩みます。
今回は、この「MNP」について調べてみたので、詳しく解説します。
MNPとは何?
MNP (Mobile Number Portability) とは、「携帯電話番号ポータビリティー」のことで、別の携帯電話会社へ移る時に、現在の電話番号をそのまま利用できるシステムです。
固定電話で他社に移る場合は、LNP(Local Nunber Portability)といいます。
このシステムを利用しないと、今まで使っていた電話番号を手放す事になるので、他社に移りたい人は、必ず「MNP」を利用する必要があります。
また「MNP」は電話番号の移管システムなので、「データSIM」の契約には必要ありません。「音声通話SIM」の利用を続けたい人用です。
「MNP」手続きを行なうと、自動的に利用中の携帯会社は解約になります。わざわざ解約手続きをする必要はありません。ただし、「MNP」を行なうために手数料として3,000円程必要になります。
「MNP」に関する用語についていくつか。
「MNP」で利用中の携帯会社から出る事を「MNP転出」、「MNP」で新しい携帯会社と契約する事を「MNP転入」と言います。
「MNP」をする時に、契約者を特定するために必要なIDを「MNP予約番号」と言います。利用中の携帯会社から予約番号を発行してもらい、新しい携帯会社に伝えると移行が完了します。
MNPの背景
このシステムが導入される前は、他の電話会社に移ると、電話番号を変えなくてはいけませんでした。
昔の電話事業は、電電公社からNTTと、独占事業だったので問題はありませんでしたが、携帯電話が普及して、KDDIやソフトバンクも電話事業を開始しました。
新規の人は良いですが、NTTの利用者は移りたくても電話番号を変えなくてはいけないので、後発の事業者にとっては不利になります。
そこで、2006年より始まったのが「MNP」だった訳です。
利用者は気兼ねなく、電話番号を持ったまま他社に移れるので、一部の携帯会社による囲い込みもなくなり、料金やサービスの向上が期待されています。
しかしキャリアもユーザーが、携帯会社を移りやすくなったのを利用して、他社から新たな客を確保してやろうと考えます。ピンチをチャンスに変えようとする訳ですね。
「他社から乗り換え」を行なうと、月々サポートでスマートフォンの大幅割引き、実質0円といったサービスを開始します。キャリア系のショップでは、キャッシュバックキャンペーンもしていました。
MNPすれば、10万円もするiPhoneなどのスマホが無料で手に入るので、2年おきにキャリアを変える人もいました。中には、キャッシュバック目当てに契約して、スマホとお金を手に入れて、違約金を払って他社に移る。そしてスマホを売ってお金にしてボロ儲けなんて人もいます。
まあ色々ありますが、最大の問題はMNPする人は、新規や機種変更する人より月々のサポート代が多いことです。
他社から客を奪いたいので、こんな露骨なことをやってる訳で、勿論その分は、全ての契約者の月額料金に上乗せされているのです。
要するにMNPせず、同じ携帯会社を長く使っている人ほど割りを食っていたんですね。
さすがに通信事業の管轄官庁である総務省も苦言をていして、過剰なスマホ代の割引きやキャッシュバックは、改善されていくと思います。
「MNP」が導入された本来の目的である、料金やサービスの向上で頑張って欲しいですね。
キャリアメールアドレスは使えなくなる?
「MNP」のおかげで電話番号を気にせず、別の電話会社に移れるようになりましたが、1つだけ問題があります。
それは、今まで使っていたキャリアメールアドレスを利用できなくなる事です。
キャリアメールというのは、「ドコモ・au・ソフトバンク」などのキャリアが提供するメールアドレスです。
「@docomo.ne.jp」、「@ezweb.ne.jp」、「@softbank.ne.jp」などが付いたアドレスです。「ワイモバイル」もキャリアなので、「@ymobile.ne.jp」のキャリアメールアドレスが利用できます。
キャリアメールは、キャリアが提供しているサービスなので、他社に移ると当然ながら利用できなくなります。
普段からキャリアメールを利用している人は、やり取りしている相手にメールアドレスの変更を連絡する必要がでてきます。メールの一斉送信で連絡すれば問題ないと思いますが、失礼になりそうな人は直接伝える必要もあるかもしれません。
携帯会社を移った後に、この様な面倒が再びおこらないように対策が必要です。
キャリアメールに依存しないフリーメールを利用すれば良いです。代表的なものは、「Gmail」と「Yahoo!メール」です。
Googleやヤフーが提供していて、無料で利用できます。パソコンでもスマホでも共通して使えるので、利便性は格段に向上します。もちろん携帯会社を移っても同じメールアドレスを利用出来るので、今からでもフリーメールに移行した方が良いと思います。
MNP予約番号の発行が必要
「MNP」をする時に、利用中の携帯会社から「MNP予約番号」を発行してもらう必要があります。
「MNP予約番号」は、契約者を識別する番号で、新しい携帯会社に伝える事で、電話番号だけでなく、契約の移行も行なわれます。
「MNP」転入が完了すると、自動的に利用中の携帯会社は解約されます。翌月以降のスマホ代や電話料金は、新しい携帯会社に支払われる事になるので、わざわざ手続きをする手間は必要ない訳です。
「MNP」予約番号の発行には、手数料として3,000円程が必要になります。
手続きは、ドコモショップなどの店頭窓口や電話受付、公式ホームページで行ないます。店頭や電話の場合は、受付時間の都合上時間がかかることもあるので注意しましょう。
また予約番号は発行後、15日間の有効期限があります。
実際には、「MNP転入」に時間がかかる場合があるため、有効期限が数日から10日残っている事を条件にしている携帯会社がほとんどです。
再発行は無料ですが2度手間なので、出来るだけ早く「MNP」手続きをしましょう。
MNPの手順
通常のMNP転入手順
携帯会社にMNP手続きをしてもらう一般的な手順です。
- 利用中の携帯会社に「MNP予約番号」を発行してもらいます。(有料)
- 新しい携帯会社と契約を行ないます。
- 「MNP予約番号」を新しい携帯会社に伝えます。
- 携帯会社が、「MNP」の手続きを行ないます。(SIMカード利用不可)
- SIMカードが配送され、自宅に届いて電話を使えるようになります。
4.の後に利用中のSIMカードが使えなくなり、電話も出来なくなります。この時点で利用中の携帯会社は解約されます。
4.から5.までのSIMカードが使えない期間は携帯会社によりますが、数日から10日程度です。電話が数日は使えない点に注意して下さい。
自分でMNP転入する手順
MNP転入を自分でする手順です。
- 利用中の携帯会社に「MNP予約番号」を発行してもらいます。(有料)
- 新しい携帯会社と契約を行ないます。
- MNP転入を自分でおこなう旨を伝えます。
- SIMカードが自宅に届きます。
- 新しい携帯会社の公式サイトで、MNP転入手続きをおこないます。
- 数時間程度で開通して、新しいSIMカードが使えるようになります。
この方法では、自宅にSIMカードが届いてMNP転入手続きをするまで、利用中のSIMカードが使えます。
公式サイト上でMNP転入手続きをした時点で、利用中のSIMカードが使えなくなり電話も出来なくなります。開通するまでの時間は、おおよそ数時間くらいになります。
開通後は、以前の携帯会社を解約になり、SIMカードも使えなくなります。
全ての携帯会社が、自分でMNP転入手続きを出来る訳ではありません。このサービスの導入は増えつつありますが、携帯会社の公式サイトで確認してください。
まとめ
- 「MNP」は電話番号を別の携帯会社でそのまま使えるシステム。
- 「MNP」をすると今までのキャリアメールは使えなくなる。
- 「MNP予約番号」を発行してもらう必要がある。(有料)
- 予約番号の有効期限は15日だが、早めにMNP手続きをする必要がある。
- 「MNP」が完了すると、自動的に今までの携帯会社は解約になる。
- 「MNP」をすると、SIMカードが届くまで数日以上電話が使えなくなる。
- 自分でMNP手続きが出来る携帯会社なら、不通話時間を数時間に短縮できる。
「MNP」の導入で、電話番号を変えることなく、別の携帯会社に移る事が出来るようになりました。
数千円の手数料はかかりますが、MNPをすると同時に解約も行なえるので、手間なく携帯会社を変える事ができます。
気兼ねなく「格安スマホ」に移行できるので、MNPを利用してスマホ代を節約しましょう。