「格安スマホ」を語る上で切り離せない「MVNO」についてお話します。
また、関連して「MNO」や「MVNE」のように似た用語もでてきます。
聞き覚えのない用語だらけだと思いますが、「格安スマホ」について調べているとよく見かけるので、この際だから詳しく知っておきましょう。
目次
「MVNO」とは何?
「MVNO」とは、Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略で、無線通信網などのインフラを持たず、NTTドコモなどMNOの通信設備を使って携帯電話事業を行っている通信事業者の事。
要するに、間接的に携帯電話事業をしている会社と言う事ですね。
逆に直接、通信インフラを持っている会社を「MNO ー Mobile Network Operator(移動体通信事業者)」と言います。一般的には、キャリアとか大手キャリアと呼んでいますね。
大手キャリアと呼ばれているのは「NTTドコモ、au、ソフトバンク」の3社ですが、他に格安スマホで有名な「Y!mobile(ワイモバイル)」も実はキャリア、MNOなんですね。
この他にも、「MVNE ー Mobile Virtual Network Enabler(仮想移動体サービス提供者)」というのもあります。これは、MNOから調達した通信網や通信設備やノウハウなどをMVNOに提供する事業者のことです。
IIJ(インターネットイニシアティブ)やNTTコミュニケーションズ、日本通信などです。
IIJは自社の「IIJmio」や「DMM mobile」、NTTコミュニケーションズは「OCN モバイル ONE」や「NifMo」、日本通信は自社の「b-mobile」に提供しています。
MVNOとMVNEを兼ねている事業者もあるようですね。
「MVNO」は、MNOからネットワークの一部を借りて事業をしていますが、基本的に店舗や通信設備などを持っていないので、それらにかかる人件費や維持費などの設備投資が少なくてすみます。
設備投資が少なくて済む分だけ、キャリアよりも安い通信費用を提供できる訳です。
店舗を持たないため、契約は基本的にインターネットで行ないます。MVNOの公式サイトから、全ての手続きをして、SIMカードやスマホなどは、自宅に配達されてきます。
もちろん料金が安い裏には、デメリットもあります。
店舗が無く少人数で運営しているので、サポート対応があまりよくありません。電話対応は有料の所もあったり、迅速に対応してくれなかったりします。
契約もネットで行なうので、基本的にクレジットカードだけの所が多いです。「楽天モバイル」は、自社系の「楽天銀行デビットカード」でも契約できるので、クレカを持てない人にはお薦めです。
詳しくは「クレジットカードとデビットカードと口座振替」を参考にしてください。
また、ネットワークを間借りしているため、通信速度はキャリアより低くなっています。特に利用者の多い昼間は、回線が混雑して通信速度が、低速域まで落ち込む事もあるくらいです。
低速でも軽いwebサイトやLINEなどは利用できるので問題ない人もいると思いますが、動画はカクカク、途切れ途切れになるのでまともに見れません。
しかし最近では設備を増強する事で改善してきているので、今後に期待です。
ネットワークを間借りしてると言っていますが、どこから借りているのでしょうか?
現在「MVNO」が利用している回線は、ドコモ系とau系の2つだけです。
中でもドコモ系がほとんどで、au系は主に「mineo(マイネオ)」と「UQ mobile」くらいです。
当然、使っている回線が違うので、場所によって繋がりやすさも変わります。スマホの対応している回線も違うので、使えないこともあります。
ただ、基本的にドコモで使っていたスマホはドコモ系で、auはau系でそのまま使うことができます。SIMロック解除すれば他社系でもネットだけなら大体使えますが、auの場合、電話回線が特殊で、使えない場合が多いため注意が必要です。
SIMフリーのスマートフォンを購入する場合も、ドコモ系の回線周波数は、ほとんど網羅していますが、au系を網羅しているのが少ないのはネックです。MVNOはドコモ系がほとんどなので、仕方ありませんが。。。
詳しくは「対応周波数(Band)について」を参考にしてください。
au系のSIMフリースマホでお薦めは、富士通の「arrows M02」です。VoLTEに対応しているので、「mineo(マイネオ)」と「UQ mobile」でも使えます。あとiPhoneもSIMフリー版ならドコモ系、au系どちらでも使えます。
このように「MVNO」の多くは独自の店舗や通信設備を持たず、インターネットによる契約を行うことで経費を削減しているため、格安な料金設定を可能としている訳ですね。
しかし最近は、イオンやビックカメラ、TSUTAYAなど店舗で契約出来る事業者も増えてきました。全国にサポートセンターを設置する会社も増えつつあるので、ネットだけだと不安を覚える人も安心して利用できる環境が整いつつあります。
MVNO一覧
OCN モバイル ONE
インターネットプロバイダ最大手の「OCN」が運営しています。格安スマホでもシェアNo.1の実績があり信頼できるNTT系列の会社です。「OCN 光」の契約者は、月額200円が割引きされる特典があるのでお得です。
楽天モバイル
楽天市場で有名な格安スマホ大手の会社です。楽天との連携で、月額料金が楽天スーパーポントに還元されるサービスもしています。スマホの半額セールも定期的にやっているので見逃せません。
IIJmio(アイアイジェイミオ)
インターネット通信事業のプロ中のプロです。「DMM mobile」などに通信設備を貸し出したりしています。通信関係に精通しているため、信頼感のある会社になっています。
BIGLOBE SIM
プロバイダの老舗「ビッグローブ」が運営しています。「BIGLOBE 光」の契約者は、月額200円が割引きされる特典がりお得です。
mineo(マイネオ)
関西のプロバイダ「ケイ・オプティコム」が運営しています。ドコモ系とau系どちらの回線も使える稀有な格安スマホ会社になっています。「マイネ王」はユーザー同士の交流サイトで、ユーザー同士でパケットを共有出来るサービスも行っている面白い会社です。
DMM mobile
ネット通販や動画販売で有名な「DMM」が運営しています。知る人ぞ知るあの会社ですが、モバイル事業は、常に最安値宣言を掲げ実行してきました。サービスの向上にも余念が無く、料金・サービス共にトップクラスになっています。
U-mobile
日本最大級の動画や音楽、電子書籍などのデジタルコンテンツ配信サービスをしている「U-NEXT」が運営しています。「スマホでUSEN」を据え置き価格で使えるプランもあり音楽好きには面白い会社になっています。
UQモバイル
KDDIグループなので、au回線のみを使用しています。回線速度もMVNO随一の安定感があり、au系のスマホを有効利用したい人にはお薦めです。
NifMo(ニフモ)
老舗プロバイダ@niftyの「ニフティ」が運営しています。「NifMo バリュープログラム」は、ネットショッピングや食事をしたり、会員登録をすると月額料金が割引きされるサービスです。上手く使うと、激安スマホになるので面白いです。
b-mobile
日本通信が運営する日本最古のMVNOです。通信容量が5段階になった従量制の「おかわりSIM」が目を引きます。その他、スタンダードな3GBやデータ無制限も選択できます。
DTI SIM
フリービット系列のDTIが運営しています。最安値料金もあり、5分間無制限の通話定額もあり、組み合わせても2千円程度で利用できるのは驚愕です。
エキサイトモバイル
エキサイトが運営するエキサイトモバイルです。12段階~17段階まで小刻みに設定された従量制が面白いです。ターボ機能やバースト転送機能も用意されていて、上手に利用すると安く快適なスマホライフをおくれます。
TONE(トーンモバイル)
本やレンタルのTSUTAYAが運営しています。プランはシンプルで初心者や家族向けを意識しています。全国にチェーン展開しているので、手厚いサービスが受けられる数少ない格安スマホです。
MNO事業者一覧
Y!mobile(Yモバイル・ワイモバイル)
CMでも有名なソフトバンクが運営している会社です。MVNOではなく、独自に通信回線設備を所有しているので、安定感は上です。少し料金は高いですが、通話し放題も含んでいるので妥当でしょう。