2014年ごろから、SIMロックフリーとかSIMフリーとか耳にする事が増えてきました。
SIMをロック?SIMをフリー?とはどういう事でしょうか。
そもそもSIMと何なんでしょう?
格安スマホで、スマートフォンを利用する上で重要な用語になるので、詳しく知る事にしましょう。
目次
SIMフリーとは?
「SIMフリー」とは、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末が、SIMロックされていない、もしくはSIMロック解除された状態をいいます。
ここで使われるフリーは、自由ではなく、拘束されないという意味になるので、「SIMロック」は何らかの拘束がされている事になります。
「SIMロック」の拘束とは、特定キャリアの「SIMカード」でしか使えないようになっている状態です。
具体的には、ドコモのSIMカードは、auやソフトバンクから購入したSIMロック端末では利用できません。電話もネットも出来ないようになっています。
「SIMカード」には、電話番号やキャリアメールアドレスなどの契約者IDが入っていて、携帯端末に挿入すると、端末の方にも個別情報が記録される事で利用できる仕組みになっています。
「SIMロック」端末を解除することはできます。解除は、格キャリアでやってもらうことになります。現在は、購入してから半年後に公式ホームページからなら無料で、ショップなら有料ですることになります。
SIMフリー化された背景
どうしてSIMロックする必要があるのでしょうか?
最大の理由は、契約者の囲い込みです。
「キャリア」と呼ばれる携帯電話サービスを提供する「ドコモ・au・ソフトバンク」3社は、契約者を確保するために、スマートフォンや携帯電話を実質0円や大幅値引き価格になるよう月々サポートで提供しています。
10万円もするスマートフォンが、無料や数万円程度で手に入るので、気軽にスマホ契約をする事ができます。
しかしキャリアは、身銭を切ってばら撒いたスマホを、他社に移って使われては不愉快ですし、何より大損です。そのため2年縛りの違約金制度とスマホにSIMロックを掛けることで客を逃がさないようにしてきました。
しかしユーザーの強いニーズにより、2012頃からSIMフリー端末が発売されるようになりました。これは、キャリアの縛りがないスマートフォンで、SIMロックもかかっていません。
2013年には、アップルの「iPhone 5s」がSIMフリーで発売された事で、SIMフリー化への拍車がかかっていったのです。
ただ現在でもキャリア3社は、初めからSIMフリー化はせず、半年経ってからSIMロック解除するなどの条件を付けています。 それでもキャリアで購入したスマホをSIMフリー端末として利用できるので、格安スマホで利用できる選択肢が増えました。
そもそもSIMカードとは何?
SIM(シム)カード(Subscriber Identity Module Card)は、電話番号やキャリアメールアドレスなどの契約者情報が記録されたICカードです。
現在使われているサイズは、「標準・micro(マイクロ)・nano(ナノ)」の三種類です。端末のカードスロットサイズと合わない場合は利用できないので購入の際はチェックしておかなくてはいけない重要なポイントの一つです。
スロットより「SIMカード」が大きいからといって勝手に切断してはいけません。「SIMカード」は基本的には貸借扱いになっているので、返却を求められると、賠償金を請求される可能性があります。
スロットより小さいSIMカードの場合は、大きいサイズに合わせる補助パーツがあるので、迷ったらnanoSIMにすると良いでしょう。
「SIMカード」の利点は、所有者が自分で別の端末に入れ替えて利用できる事です。
「SIMカード」登場以前は、携帯電話に直接情報を書き込んでいたので、別の携帯電話を使いたい時は、キャリアのショップに行って書き換えてもらわなくてはいけませんでした。
「SIMカード」のお陰で、不意にスマホや携帯電話が壊れても、使い古しなり予備があれば、差し替えるだけで使えるようになりました。
余談ですが、MVNOから提供されるSIMカードにもドコモのプリントがされているため、ドコモへの問い合わせが多かったらしいです。今後はMVNO専用のプリントがされるようなので、無駄なサポート対応をしなくて済みそうだとか(笑)
SIMフリー端末の互換性
キャリア3社が利用する周波数には違いがあるので、SIMフリー化されていても他社の通信網では利用できない可能性があることは覚えておいてください。
LTEは国際規格なので、ほとんどの端末に互換性がありますが、対応するBandしたいでは、繋がりやすさに違いがでます。
例えばBnad19はドコモのプラチナバンドなので、ドコモのLTEが繋がりやすくなります。auだとBand18がプラチナバンドで、ソフトバンクはBand8です。
3G回線は主に電話に利用しますが、「ドコモ・ソフトバンク」と「au」の間に互換性があありません。「ドコモ・ソフトバンク」W-CDMA方式で、auは、CDMA2000です。
しかし最近はVoLTEに移行しつつあるので、対応しているスマホなら、基本的に使えるようになっています。
iPhoneは、SIMフリーを想定されているため、ほぼ全社で互換性があります。
今後、互換性のあるSIMフリー端末が増える可能性はありますが、現状では出来るだけ同じ回線系のSIMカードと端末を利用した方が確実です。
また、ドコモで利用していたSIMロックフリー端末を、MVNOではテザリングに使えません。
白ロムを購入する際は以上の事を注意しましょう。
実はSIMロックされていても利用できる?
SIMロックされたままでも利用できる可能性があります。
ドコモ回線を使っているMVNOなら、ドコモで購入したSIMロックスマホでも使えます。
au回線を使っているMVNO「mineo(マイネオ)」や「UQ mobile」なら、auで購入したSIMロックスマホでも使えます。
ただし、SIMロック状態だとテザリングには使えません。ドコモは、SIMロックを解除してもテザリングに使えません。
キャリア3社のSIMロック解除の対応
NTTドコモ
発売時期により対応が異なります。
ドコモの契約者でない場合は、店頭で本人確認用の書類が必要です。
2011年4月~2015年4月に発売された機種
手続き先:ドコモショップ
SIMロック解除手数料:3,000円
名前や生年月日などの本人確認があります。
2015年5月以降に発売された機種
解除条件:
- 購入から6ヶ月以上経過している端末。
- 過去に別の端末で解除したことがあり、かつ6ヶ月以上経過している。
- ドコモを解約済みの場合、解約から3ヶ月以内である。
手続き先:オンライン、電話、ドコモショップ
SIMロック解除手数料:
- インターネット上で行なう場合、無料。
- 電話で行なう場合、3,000円。
- ドコモショップの場合、3,000円。
- ドコモを解約済みの人は、3,000円。
-
ドコモ ケータイ(iモード対応)・ドコモ らくらくホン・ドコモキッズ・ジュニアは、ドコモショップのみ可能で、無料。
au
2015年4月迄に発売された機種
手続き先:auショップ
SIMロック解除手数料:3,000円
2015年5月以降に発売された機種
解除条件:発売から180日以上経過している。
手続き先:オンライン
SIMロック解除手数料:無料
手続き先:auショップ
SIMロック解除手数料:3,000円
ソフトバンク
2015年4月迄に発売された機種
手続き先:ソフトバンクショップ
SIMロック解除手数料:3,000円
2015年5月以降に発売された機種
解除条件:
- 発売から181日経過している。
- ソフトバンク以外のSIMカードを所有している。
手続き先:オンライン
SIMロック解除手数料:無料
手続き先:ソフトバンクショップ
SIMロック解除手数料:3,000円
まとめ
- SIMフリーなら基本的に全社で利用可能
- SIMロックを解除すると基本的に全社で利用可能
- au回線系は、auのスマホか、VoLTE対応SIMフリー以外では電話利用不可
- 端末の対応周波数によっては、回線次第で繋がりやすさに影響する
- SIMカードのサイズに迷ったら、nanoSIMを選ぶ
- ドコモで購入したスマホは、SIMロック解除してもテザリングできない
キャリアの利己的な理由や、回線周波数のせいで、「格安スマホ」では使えないスマホが存在しています。
MVNOのほとんどは、ドコモ回線系なので、ほとんどのスマホが使えますが、au回線系は少数なので、対応しているスマホも少なく間違えて購入する可能性がありるので注意が必要です。
どうしても分からない時は、格安スマホ会社で確実に対応しているスマホを販売しているので、SIM契約と同時に購入すれば迷わず安心して使えると思います。
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